石川達三の文学 石川達三の文学 戦前から戦後へ、「社会派作家」の軌跡
呉恵升 著
A5判並製/カバー装
280頁
2019年3月発売
定価3,080円(本体2,800円)
ISBN:978-4-908028-36-6
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戦時下「戦争協力」資料を発掘!!
戦前に『蒼氓』で第1回芥川賞、『生きてゐる兵隊』発禁処分、戦後には社会派作家として『人間の壁』『金環蝕』『風にそよぐ葦』や『青春の蹉跌』『僕たちの失敗』などを描いた石川達三を実証的に批判する。
目次より
第1章 リアリズム作家(第1回芥川賞作家)の誕生─『蒼氓』
第2章 戦争の「真実」を描く─『生きてゐる兵隊』
第3章『生きてゐる兵隊』再検討─日中の評価史を比較しながら
第4章「戦争協力」への第一歩─『武漢作戦』に始まる
第5章 戦時下における「戦争協力」(1)─日本文学報国会を中心とした「文芸銃後運動」との関わりを軸に
第6章 戦時下における「戦争協力」(2)─二つの「戦場」、「徴用」から敗戦まで
第7章「再転向」─敗戦後の再出発
第8章 悔恨と希望(期待)と─『風にそよぐ葦』論
第9章 その後の作家活動
著者紹介
呉恵升(ご・けいしょう、ウー・フェイ・シァン、Wu Huisheng)
1989年、中国・山東省生まれ。2016年、国費外国人留学生として来日、明治大学大学院文学研究科日本文学専攻に入学し、指導教員宮越勉教授のもとで、2019年3月博士後期課程修了。博士(文学)。現在、同研究科助手。日本近代文学・戦争文学専攻。 主要論文に、「石川達三「生きてゐる兵隊」再評価―日中の評価史を比較しながら―」(「社会文学」第46号、2017年7月)、「戦時下における石川達三の「戦争協力」―日本文学報国会を中心とした「文芸銃後運動」との関わりを軸に―」(「文学研究論集」第48号、2018年2月)、「二つの「戦場」―戦時下における石川達三の「戦争協力」、「徴用」から敗戦まで―」(「文学研究論集」第49号、2018年9月)などがある。