新刊案内
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一日の光あるいは小石の影 |
森内俊雄 著 |
小説世界を支える日常生活と読書。30余年にわたるエッセイ集成 80歳を過ぎた老年の日常から、戦争末期の少年の記憶を辿る。あるいは結婚、こどもの誕生、また編集者時代の仕事(『定本坂口安吾全集』『椎名麟三全集』『岡本かの子全集』等)、数々の文学賞受賞の思い出。カソリック教徒として聖書はもちろん、『正法眼蔵』『徒然草』蕪村からシャルダン、ベイユ、エリオット、ロレンスなどの海外哲学・文学、さらには虚子、蛇笏の俳句、漱石・鴎外、内田百フ、吉田健一等の小説、レイ・ブラッドベリなどのSF、果ては電子書籍まで、読書をめぐるエッセイ。これらが、幽玄、夢魔的と称される〈森内文学〉の小説世界と同等に表現され、老境の軽妙さも加わった30年ぶりのエッセイ集となっている。 |
2019年12月発売 |
定価4,180円(税込み) |
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黒古一夫 近現代作家論集 第5巻 |
黒古一夫 著 |
小田実論 野間宏論 辻井喬論 「べ平連」の活動や差別問題への発言で知られる小田実は、「タダの人=チマタの人」の生活と現実をその創作と行動の根本に据えて活動した。またそれに先立ち、戦後文学の金字塔『暗い絵』で登場した野間宏は、戦前戦後、被差別部落への働きかけや日本共産党党員として活動する経歴の中から、フランス文学・思想から得た「全体小説」を試みた。一方、辻井喬は、戦後の日本共産党員としての挫折を経て、衆議院議長であった父・堤康次郎が創業した「西武・セゾングループ」の跡を継ぐ傍ら、政治体験や家族の葛藤をもとに「自伝的」小説を著わす。 |
2019年11月発売 |
定価5,280円(税込み) |
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黒古一夫 近現代作家論集 第1巻 |
黒古一夫 著 |
北村透谷論 小熊秀雄論 明治期、昭和戦前期に権力と戦い、生活と戦った二人の詩人・思想家。 明治期、自由民権運動の挫折をもとに、日本近代文学史上、画期をなす詩・散文を展開した北村透谷。昭和戦前期、権力の弾圧により転向者が続出するなか、プロレタリア詩・『流民詩集』を書き続けた小熊秀雄。これら二人の作品を辿り、生涯を跡づける作家論集。 |
2019年10月発売 |
定価5,280円(税込み) |
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戦後思想の修辞学――谷川雁と小田実を中心に |
北野辰一 著 |
「べ平連」の小田実、「大正行動隊」の谷川雁。戦後に屹立する二人の行動的思想家の表現をめぐって 時代は、情報管理が人々の自由を奪い、貧困を深刻なものとし、自然災害の頻発する列島に住む人々の危機意識は薄く、原発廃棄や少子高齢化問題はいまだ手つかずのまま……。これらの危機的な状況をふまえて……イロニーとして私の脳裏には谷川雁と小田実が存在した。……共に内在性を重んじた修辞学に今なお言葉の力をみいだせる戦後思想としての谷川雁と小田実である。 |
2019年9月発売 |
定価2,750円(税込み) |
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黒古一夫 近現代作家論集 第4巻 |
黒古一夫 著 |
村上龍論 立松和平論 全共闘世代の作家として出発した二人。高度成長終焉後の葛藤を小説化 |
2019年8月発売 |
定価5,280円(税込み) |
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京都詩人傳――一九六〇年代詩漂流記 |
正津勉 著 |
疾風怒濤の60年代〈現代詩〉、5人の閉鎖京都系詩人たちを描く 戦後現代詩の曲がり角―1960年代から70年代初めに活躍した天野忠、大野新、角田清文、清水哲男、清水昶らの詩と生涯を描く。石原吉郎、谷川雁、鶴見俊輔、双林プリント、三月書房(宍戸恭一)、米村敏人、佐々木幹郎など、同時代の詩的交友圏の人々も登場する、回想的詩人論。 |
2019年8月発売 |
定価2,200円(税込み) |
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黒古一夫 近現代作家論集 第3巻 |
黒古一夫 著 |
村上春樹論 1980年代以降、日本および世界で多くの読者を獲得した村上春樹文学を位置づける |
2019年7月発売 |
定価4,180円(税込み) |
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黒古一夫 近現代作家論集 第2巻 |
黒古一夫 著 |
大江健三郎論 林京子論 昭和戦後から平成と、苦難を背負って独自の文学を切り開いた2人の作家 |
2019年6月発売 |
定価4,180円(税込み) |
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生命と直観――よみがえる今西錦司 |
富岡幸一郎 著 |
今西「自然学」に共棲としての世界観をみる 「3.11」は、巨大な災厄であるとともに近代科学イデオロギーの破綻の宣告であった。今西錦司の思想に、この危機的状況を乗り越えるヒントがあるのではないか。 |
2019年5月発売 |
定価1,760円(税込み) |
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石川達三の文学――戦前から戦後へ、「社会派作家」の軌跡 |
呉恵升 著 |
戦時下「戦争協力」資料を発掘!! 戦前に『蒼氓』で第1回芥川賞、『生きてゐる兵隊』発禁処分、戦後には社会派作家として『人間の壁』『金環蝕』『風にそよぐ葦』や『青春の蹉跌』『僕たちの失敗』などを描いた石川達三を実証的に批判する。 |
2019年3月発売 |
定価3,080円(税込み) |
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小林秀雄の秘密――『本居宣長』をわかりやすく |
佐藤公一 著 |
半端ない秀雄論、ポップな宣長論! 小林秀雄の『本居宣長』をもっと気軽に、遊び心で楽しみたい。 宣長の現代語訳を付記し、小林秀雄の批評をわかりやすく解説。 |
2019年1月発売 |
定価1,100円(税込み) |
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渋沢敬三 小さき民へのまなざし |
川島秀一 編 |
『水産漁業史・民具など黎明期民俗学を発掘・後援 渋沢敬三は、渋沢栄一の孫として生まれ、日銀総裁、戦後は大蔵大臣を務めるなど、実業界・官界で活躍する一方、昭和戦前期には、民具の収集・分類、古文書の収集・整理、漁業史や漁具研究を中心に民俗研究を行い、宮本常一など民俗学者・歴史学者を後援した。草創期民俗学を開拓した渋沢敬三の著作に、後代による解説・批評を加え収録した。 |
2018年12月発売 |
定価2,530円(税込み) |
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古代出雲にみた日本神話 |
関 和彦 著 |
『記紀』と『出雲国風土記』から、出雲各地を訪ね、原・神話を想定 「葦原の中国」を高天原・大和王権から「譲れ」と迫られた大国主神は、今後は神事を治めることとなった。黄泉平坂、スサノヲ命ゆかりの地、国譲りの原郷、大国主神の伝承など、出雲各地を訪ねて日本の原風景、日本人の原心情をたどる。 |
2018年11月発売 |
定価1,980円(税込み) |
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あれは誰を呼ぶ声 |
小嵐九八郎 著 |
混沌とした70年代を生きた3人の男女の物語 高度経済成長末期の日本。石油危機や田中角栄首相の汚職・逮捕、ハイジャックや企業爆破事件など、社会は大きく揺れていた。暗い70年代を生きた3人の思想、行動、葛藤、愛が交錯するドキュメンタリー風長編小説。 |
2018年10月発売 |
定価2,420円(税込み) |
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ザ・ワンダラー――濡草鞋者 牧水 |
正津 勉 著 |
若山牧水の旅、酒、恋の生涯 前近代の風が残るはぐれ者たち=濡草鞋党の中で育った幼少から、文学史に著名な恋愛、石川啄木との交流などの青年初期の恋や酒の歌の数々、青年後期の山や渓の彷徨の歌、晩年の「千本松原」環境保全運動まで、近代の歩く徒の生涯を、遊山行の詩人・正津勉が辿る。 |
2018年8月発売 |
定価1,980円(税込み) |
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