黒古一夫 近現代作家論集 第5巻
黒古一夫 著
A5判並仮上製 カバー装
本文408頁
2019年11月発売
定価5,280円(本体4,800円)
ISBN:978-4-908028-44-1
ご注文

他の書店で買う
amazon
小田実論 野間宏論 辻井喬論
戦後の政治体験を経つつ、社会・人間・個人に向き合う文学を築いた三人。

「べ平連」の活動や差別問題への発言で知られる小田実は、「タダの人=チマタの人」の生活と現実をその創作と行動の根本に据えて活動した。またそれに先立ち、戦後文学の金字塔『暗い絵』で登場した野間宏は、戦前戦後、被差別部落への働きかけや日本共産党党員として活動する経歴の中から、フランス文学・思想から得た「全体小説」を試みた。一方、辻井喬は、戦後の日本共産党員としての挫折を経て、衆議院議長であった父・堤康次郎が創業した「西武・セゾングループ」の跡を継ぐ傍ら、政治体験や家族の葛藤をもとに「自伝的」小説を著わす。
目次
小田実―「タダの人」の思想と文学
野間宏―人と文学
辻井喬論―修羅を生きる
*黒古一夫 近現代作家論集 全6巻
著者紹介
黒古 一夫(くろこ・かずお)
1945年12月、群馬県に生まれる。群馬大学教育学部卒業。法政大学大学院で、小田切秀雄に師事。1979年、修士論文を書き直した『北村透谷論』(冬樹社)を刊行、批評家の仕事を始める。文芸評論家、筑波大学名誉教授。主な著書に『立松和平伝説』『大江健三郎伝説』(河出書房新社)、『林京子論』(日本図書センター)、『村上春樹』(勉誠出版)、『増補 三浦綾子論』(柏艪社)、『『1Q84』批判と現代作家論』『葦の髄より中国を覗く』『村上春樹批判』『立松和平の文学』(アーツアンドクラフツ)、『辻井喬論』(論創社)、『祝祭と修羅―全共闘文学論』『大江健三郎論』『原爆文学論』『文学者の「核・フクシマ論」』『井伏鱒二と戦争』(彩流社)、『原爆文学史・論』(社会評論社)他多数。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
関連書