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嬉遊曲 | [特装版] |
正津 勉 著 | ||
A5判仮フランス装/簡易箱入り(外題貼)/カバー箔押し/別丁扉1色/見返しに直筆サイン入り | ||
104頁 | ||
2008年7月発売 | ||
定価1万9,800円(本体1万8,000円) | ||
ISBN:978-4-901592-49-9 | ||
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限定100部 | ||
※[普及版]もあります。詳細はこちら。 |
170×120ミリ 6版8色 | ||
鳥の子手漉和紙 | ||
![]() | ススキ(芒)
日の出は遅く日の入りは早い 日はもうよほど短くなっていて 山の懐はというと寂しく翳るばかり 陽は釣瓶落とし急に四方暗く 風が肌を刺す山の端は朱に かちかちと上歯と下歯とかちかちと みはるかす帰路の山麓はいったい 目路のかぎりいちめんの芒原 立ち枯れつ折れ伏しつ 黄金に透けて穂波が揺れて おいでおいでと手招きをするように とそう見る間に光は死ぬのだ ――『嬉遊曲』収載 |
- 山で出会ったものたち
鳥―― | 虫―― | 草木―― | 獣―― | 魚―― |
ツツドリ | ナガコガネグモ | シダ | カモシカ | イワナ |
フクロウ | アサギマダラ | ススキ | ヤマカガシ | サワガニ |
トビ | ガ | ベニテングダケ | アカハライモリ | |
コオロギ | ヒヨドリジョウゴ | |||
- 書評・紹介
- 平易な言葉で紡がれる深遠な世界。著者が十余年にわたって山を逍遙するうちに出会った山川草木、鳥獣虫魚、雲風湯酒が独特なリズムと語り口で淡々と詠われている。(中略)普段から詩というものにあまり親しんで来なかった評者にも十分楽しめる内容だ。
- (山の本 2008年秋号)
- 山を往く新詩集である。(中略)本書には、山行途中に遭遇した草木や鳥獣虫魚とのつかのまの交情を、簡潔にリズミカルに切り取った詩篇が並ぶ。(中略)詩人の山旅はまだまだ終わらない
- (山と渓谷 2008年10月号)
- 平易な言葉で紡がれる深遠な世界。著者が十余年にわたって山を逍遙するうちに出会った山川草木、鳥獣虫魚、雲風湯酒が独特なリズムと語り口で淡々と詠われている。(中略)普段から詩というものにあまり親しんで来なかった評者にも十分楽しめる内容だ。
- 著者紹介
- 正津 勉(しょうづ・べん)
- 1945年、福井県大野に生まれる。同志社大学文学部卒業。1972年、詩集『惨事』(国文社)を刊行。以後、70年代詩人のひとりとして活発な詩作活動を展開する。主な詩集に、『正津勉詩集』(現代詩文庫)『エヴァ』『死ノ歌』(思潮社)など。また小説に『笑いかわせみ』『小説尾形亀之助』(河出書房新書)、『人はなぜ山を詠うのか』『行き暮れて、山。』(アーツアンドクラフツ)などがある。近年は山をテーマにした詩を発表、詩集『遊山』(思潮社)を刊行している。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 正津 勉(しょうづ・べん)
- 木版画作者紹介
- 大谷 一良(おおたに・かずよし)
- 1933年東京生まれ。57年東京外国語大学スペイン語学科卒業。総合商社の勤めを終え、96年よりフリーの版画家。この間、畦地梅太郎氏に私淑、「アルプ」をはじめ「まいんべるく」「山と渓谷」「心」「岳人」などに表紙画やカット、文章を発表。80年代から個展や共同展を毎年のように開催。著書に『山のかけら』『山の絵葉書』『風のディヴェルティメント』『心象の山々』など、共著に『山のABC』『忘れ得ぬ山』など多数。山岳関連書の装丁・装画も数多く手がけている。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 大谷 一良(おおたに・かずよし)
- 関連書
若狭がたり わが「原発」撰抄- 水上勉 著 正津勉 編