風を踏む 風を踏む ――小説『日本アルプス縦断記』
正津 勉 著
四六判並製 カバー装
本文160頁
2012年10月発売
定価1,540円(本体1,400円)
ISBN:978-4-901592-78-9
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目次
一 水湛へあるに群れの搏ち合ふ蠅の昼
――七月十三日、明科駅下車、明科館昼飯
二 山夕立つを見し語るひまもなき
――大町対山館
三 イワナ一尾々々包む虎杖の葉重ねて
――白沢のドーにて
四 石に命ある雪田の露頭かな
――雪田を踏む
五 立山は手届く爪殺ぎの雪
――蓮華岳頂上眺望
六 駒草に石なだれ山匂ひ立つ
――蓮華岳南尾根を下る
七 雷鳥を追ふ谺日の真上より
――七倉岳頂上
八 湯に濁りつゝ雪塊の漂へる
――同行如是閑病む夜叉沢野営
九 寝ずゐたるに明易く物忘れかな
――七月十七日夜叉沢出発
十 網下ろすを待つ間汗ひくしづ心
――東沢岳を亙る
十一 呼子吹いて重き夏木をそよがせぬ
――舟窪乗越に下りて
十二 あらはなる肌まざと雪水にうつりぬ
――舟窪岳頂上野営
十三 熱風の嶽を殺ぐ恒砂なだれなり
――南沢岳に上る
十四 雪のたゞ中に池湛ふ夕かげり初む
――烏帽子岳麓
十五 桐油さもしき色を瑞草の原に
――三ッ岳北麓野営
十六 真に蛟龍の玉を蔵くすかの
――硫黄沢乗越まで
十七 かくして外界の醜穢を洗え
――結末
あとがきにかえて
著者紹介
正津 勉(しょうづ・べん)
 1945年福井県生まれ。同志社大学文学部卒。72年、『惨事』(国文社)でデビュー。代表的な詩集に『正津勉詩集』『死ノ歌』『遊山』(いずれも思潮社)があるほか、小説『笑い かわせみ』『小説尾形亀之助』『河童芋銭 小説小川芋銭』、エッセイ『詩人の愛』『脱力の人』(いずれも河出書房新社)など幅広い分野で執筆を行う。近著に山をテーマにした詩 集『嬉遊曲』、エッセイ『人はなぜ山を詠うのか』『行き暮れて、山。』(いずれもアーツアンドクラフツ)、『山川草木』(白山書房)ほか多数。新刊に『忘れられた俳人 河東碧梧桐』(平凡社新書)がある。自らも登山を楽しむ。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
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