文芸評論(44冊)

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島崎藤村 島崎藤村 「個」と「社会」の相剋を超えて
陳 知清 著
現代に通じる「社会」と「個」の関わり
エッセイ『千曲川のスケッチ』や小説『破戒』『夜明け前』で知られる島崎藤村の作品は、教科書収録作品としては戦後から1970年代まで漱石・鴎外・芥川を抜いてトップの位置を占めていた。近代の「個」と「社会」との関わりがそこに表されていたからだろう。 本書は、戦前から現在までの「藤村研究」を概観しつつ、各作品論をとおして「個」と「社会」の関わりを見、さらに現代に通じる差別やジェンダー、格差、ナショナリズムなどの「社会性」について批評する。
2022年3月発売
定価2,860円(税込み)
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小林秀雄 小林秀雄 思想史のなかの批評
綾目広治 著
戦前・戦後の批評を相対化
西田幾多郎、マルクス主義、横光利一、京都学派、ベルクソン等、同時代思想との比較検討を主軸に、その代表的な批評の相対化を試みる。

昭和の文学史、思想史の中で小林秀雄の批評は何を齎したのか、その価値の正負を冷静に称量することによって採るべきものと捨てるべきものとを選り分ける段階にすでに来ていると思われる。(「はしがき」より)
2021年2月発売
定価3,520円(税込み)
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古井由吉論 古井由吉論 ―文学の衝撃力
富岡幸一郎 著
先行者はいない、小説の可能性を追求した作家
20世紀世界文学の翻訳から得た方法的意識をもとに、近代日本の自然主義文学、戦後文学の枠を超え、つねに現代小説の最先端を切り開いた作家の、衝撃力を発揮した、初期から晩年までの作品をたどる。本書は長年、古井文学を探求した著者による本格的作家論であり、1989年・2015年の2回にわたる古井由吉との対談を併録している。
2020年9月発売
定価2,200円(税込み)
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「団塊世代」の文学 「団塊世代」の文学
黒古一夫 著
「内向の世代」以降=1980年代以降を跡づける現代日本文学史のための作家論
戦争世代を親に持ち、戦後のベビーブームのなかで育ち、1960年代末の政治・社会・文化の変動を経験した「団塊世代」の作家たち――。本書は、「内向の世代」以降=1980年代以降、空白となっている現代日本文学史を埋める試みとして、7人の作家論を提出する。
2020年6月発売
定価2,860円(税込み)
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万葉の紫と榛の発想 万葉の紫と榛の発想 ―恋衣の系譜
畠山 篤 著
〈紫〉は王侯貴族の染色文化ではなく、一般庶民の信仰と恋愛の習俗が反映していた
万葉集に「紫」を読み込んだ17種の歌を考察し、その「紫」の歌がなぜ恋情発想をとるのか。著者はその歌のもとに、男女和合の饗宴〈薬狩り〉=成人戒をみる。また同じく万葉集に「榛(はり)」(はんのき)を読み込んだ歌である「近江遷都歌」のモデルに大和・三輪地方の古歌をみる。それはさらにさかのぼり、古事記・雄略記の「赤猪子伝承」にたどる。本書は、万葉集などの「色衣」の歌から、古代の民衆の習俗・神話を探る論考である。
2020年2月発売
定価2,420円(税込み)
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戦後思想の修辞学 戦後思想の修辞学 ―谷川雁と小田実を中心に
北野辰一 著
時代は、情報管理が人々の自由を奪い、貧困を深刻なものとし、自然災害の頻発する列島に住む人々の危機意識は薄く、原発廃棄や少子高齢化問題はいまだ手つかずのまま……。これらの危機的な状況をふまえて……イロニーとして私の脳裏には谷川雁と小田実が存在した。……共に内在性を重んじた修辞学に今なお言葉の力をみいだせる戦後思想としての谷川雁と小田実である。
2019年9月発売
定価2,750円(税込み)
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京都詩人傳 一九六〇年代詩漂流記 京都詩人傳  一九六〇年代詩漂流記
正津 勉 著
疾風怒濤の60年代〈現代詩〉、5人の閉鎖京都系詩人たちを描く
戦後現代詩の曲がり角―1960年代から70年代初めに活躍した天野忠、大野新、角田清文、清水哲男、清水昶らの詩と生涯を描く。石原吉郎、谷川雁、鶴見俊輔、双林プリント、三月書房(宍戸恭一)、米村敏人、佐々木幹郎など、同時代の詩的交友圏の人々も登場する、回想的詩人論。
2019年8月発売
定価2,200円(税込み)
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生命と直観 よみがえる今西錦司 生命と直観――よみがえる今西錦司
富岡幸一郎 著
今西「自然学」に共棲としての世界観をみる
「3.11」は、巨大な災厄であるとともに近代科学イデオロギーの破綻の宣告であった。今西錦司の思想に、この危機的状況を乗り越えるヒントがあるのではないか。
2019年5月発売
定価1,760円(税込み)
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石川達三の文学――戦前から戦後へ、「社会派作家」の軌跡 石川達三の文学――戦前から戦後へ、「社会派作家」の軌跡
呉恵升 著
戦時下「戦争協力」資料を発掘!!
戦前に『蒼氓』で第1回芥川賞、『生きてゐる兵隊』発禁処分、戦後には社会派作家として『人間の壁』『金環蝕』『風にそよぐ葦』や『青春の蹉跌』『僕たちの失敗』などを描いた石川達三を実証的に批判する。
2019年3月発売
定価3,080円(税込み)
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小林秀雄の秘密――『本居宣長』をわかりやすく 小林秀雄の秘密――『本居宣長』をわかりやすく
佐藤公一 著
半端ない秀雄論、ポップな宣長論!
小林秀雄の『本居宣長』をもっと気軽に、遊び心で楽しみたい。
宣長の現代語訳を付記し、小林秀雄の批評をわかりやすく解説。
2019年1月発売
定価1,100円(税込み)
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